
懐かしいカレーと前橋の歴史を味わいませんか?洋食屋ポンチ
前橋の中心商店街の北側に住む人にとっては、街の入口にあたる場所。
弁天通りの最北端に、ポンチという洋食屋があることをご存知だろうか。
前橋出身の人なら、一度は聞いたことがあるかもしれない。
子供の頃からずっと気になっていたのだが、一回も行ったことがないポンチ。
そんなポンチに、どうしても行ってみたい!という衝動に駆られ、
今日はたまらず訪れてみました!
街の入口に鎮座する、歴史を感じる店構え。目の前には広瀬川。
店の外に掲示しているメニューに目をやる。
おっ、これが話に聞く、持ち帰りのカレールーか!などと思いつつドアを開ける。
想像以上にレトロなインテリア。
数多くの映画やドラマのロケで使用されたという話も聞いていたが、納得の店内。
「いらっしゃいませ。」
丁寧に迎えて下さったのは、四代目の弟さんの町野浩二さん。
昨日、ポンチに行くことを父親に話したら、カレーとカツ丼を猛プッシュされたので、
あいだを取って、カツカレーを注文してみる。
注文からほどなく、サラダとスープが。そして間をおかずしてカツカレーが登場。
いよいよ自分もポンチデビューだと感慨にふけりながら、ひとくちめ。
『懐かしい味。』
父親にポンチのカレーの味って、どんな味なんだい?と聞くと、懐かしい味としか言いようがないと言う。
確かに、香辛料が強めの流行りのカレーとも、チェーン店のカレーとも、給食のカレーとも、家のカレーとも違う。
自分の中で新しい味なのに、懐かしく、うまい。
初めて食べるのに、懐かしい味というのも変な表現だが、妙に納得。
ボリューム満点だが、ペロリといってしまった。
食事を終えて、店内に飾ってある昔の写真が気になり、お話を伺いたい旨を告げると、
奥から三代目のおかみさんが登場。
聞けば、来県された皇族に料理を提供した初代が大正九年に創業。
当時は洋食が珍しかったそうで、生糸の町として隆盛を誇っていた糸繭商(いとまいしょう)の旦那衆が、
和装・洋装、それぞれの正装で、ポンチのモダンな店内で洋食をいただいている写真が
店内に飾られているのだが、これが何ともかっこいい。
おかみさんから、写真、ひとつひとつに解説をいただき、
ポンチを通して前橋の歴史を伺っている最中、近所の奥様が、持ち帰りのカレーを注文されにいらした。
おかみさんが話をふり、近所の奥様にも、昔のお話を伺う。
お店を通して、こんな風にコミュニケーションが取れるのって凄くいい。
大正・昭和・平成と、100年近い時代を経ながら、この場所で、この味を守りながら、
前橋の歴史を見つめてきたポンチ。
カレーを注文の上、気さくなおかみさんに話を伺ってみると、
あなたの知らない前橋を発見することができると思います。きっと。
住所/前橋市千代田町3-3-18
TEL/027-231-2333
営業時間/11:30-14:30 16:30-19:30
定休日/木曜日